高校野球の選抜大会出場校発表が28日に迫り、プロ野球選手の「2世」「弟」などの宿命を背負った選手の動向が注目されてくる。
筆頭は元横浜、中日外野手の小池正晃氏(現DeNAコーチ)の長男で、東海大菅生高(東京)の中軸を担う祐吏内野手(2年)だろう。
父は横浜高時代に、昨季限りで現役を引退した〝平成の怪物〟松坂大輔氏(元西武)とともに公式戦44連勝。プロでは13年間で通算55本塁打を放った。息子は昨年、「4番・三塁手」で甲子園に春夏連続出場した。秋の公式戦終了後は練習試合をしないこともあり、高校通算10本塁打にとどまっているが、180センチ、77キロの右打者は将来的にプロ入りを志望。「進路は今夏の結果で」と父親同様、高校3年時にドラフトで指名される可能性を秘めている。
投手では、元ロッテ、オリックス捕手の辻俊哉氏(現国士舘大監督)の長男で、平塚学園高(神奈川)の左腕、快翔(かいと)投手(2年)。165センチ、70キロで体形はヤクルト・石川雅規投手、顔は楽天・松井裕樹投手に似ており、性格は強気。カーブ、スライダー、チェンジアップを駆使する技巧派で、国士舘大の1、2年生チームを抑えたこともある。
「変化球でストライクが取れるので、そこから打ち取っていける投球をしたい」
けが明けから1998年夏以来の甲子園出場へ向け、左腕は〝平学の石川〟として期待されている。
大学生には、国学院大に広島・森下暢仁投手の弟、颯太内野手(3年)、日大にオリックス・田嶋大樹投手の弟、俊輔投手(3年)らがいる。次のステージへつながる重要なシーズン。それぞれの球春を迎える。(赤堀宏幸)