【2023年期待の若手】楽天の未来のエース候補・高田孝一

2023-01-11
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時事通信

2022年シーズンは大勢(巨人)、水上由伸(西武)のリリーフ投手が新人王を受賞。その2人と新人王を争った湯浅京己(阪神)や阿部翔太(オリックス)、宮森智志(楽天)、木澤尚文(ヤクルト)らも飛躍を遂げた。野手では長岡秀樹(ヤクルト)や上川畑大悟(日本ハム)、野村勇(ソフトバンク)など、多くの選手が台頭を見せた。

そこで今回は、2023年シーズンにブレイクを期待したい若手選手をセ・リーグ、パ・リーグから3人ずつピックアップ。第1回はイースタン・リーグで投手三冠に輝いた楽天の高田孝一(たかだ・こういち)だ。

学生時代は法政大で2度の優勝を経験

平塚学園高では1年時からベンチ入り。夏の神奈川大会では中継ぎ、先発で登板を果たした。同秋から主戦格となると、秋季神奈川大会を制して関東大会に出場、ベスト8進出に貢献。

2年夏の神奈川大会では、準々決勝で小笠原慎之介(現・中日)を擁する東海大相模高(同夏甲子園優勝)に敗れた。3年夏は5回戦で日大高に敗れ、甲子園出場はならなかった。

東京六大学野球連盟の法政大へ進学すると、2年春からリーグ戦に登板。同秋には先発2番手としてリーグ優勝に貢献した。さらに大学日本代表に選出され、先発投手として第6回FISU世界大学野球選手権大会2018優勝に貢献した。

4年春には同学年の左腕エース・鈴木昭汰(現・ロッテ)、1学年下の右腕・三浦銀二(現・DeNA)らと強力投手陣を形成し、自身2度目のリーグ優勝を経験。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で全日本大学野球選手権は中止となり、全国大会での登板はならなかった。

大学通算31試合(うち先発23)に登板し、137回を投げて7勝3敗、113奪三振、防御率3.22の成績を残し、2020年ドラフト2位で楽天から指名を受け、プロ入りを果たした。

2年目はファームで投手タイトル総なめ

プロ1年目はファームで先発投手として活躍。20試合に登板して109.1回を投げ、6勝10敗、95奪三振、防御率3.21の好成績をマーク。95奪三振はイースタンリーグ最多の数字だった。

6月には一軍初登板を果たしたが、危険球のため1回途中わずか16球で降板となってしまう。その後2試合に登板するも定着はならず、3試合で6.2回を投げて防御率1.35の成績だった。

迎えた2年目の2022年シーズンは、4月に登板機会を掴むも4回途中4失点と試合を作れず。9月に再び一軍に昇格したが、1試合登板に止まった。2試合で6.1回を投げて9奪三振、防御率7.11と、結果を残すことはできなかった。

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それでもファームでは19試合に登板、108回を投げて11勝2敗(勝率.846)、1セーブ、72奪三振、防御率2.25の好成績をマーク。イースタン・リーグの最優秀防御率、最多勝、最高勝率で投手三冠に輝き、5月度ファーム月間MVP、優秀投手賞、新人賞も獲得。来シーズンへ向けて期待が持てる投球を披露した。

最速156キロのストレートが一番の持ち味

一番の持ち味は、183cm92kgの体格から繰り出す力強いストレートだ。法政大時代に最速156キロを計測するなど、威力は充分。投球の約半分を占めるストレートに、スプリットやスライダー、カットボールなどを織り交ぜる投球スタイルだ。

そのストレートの2022年シーズンの最速は152キロ、平均は145キロ前後となっており、一軍の先発ローテーション入りを目指すためにももう一段上のレベルを目指したい。

また、新人から2年連続でファームの規定投球回をクリア。イースタン・リーグにおいて2年連続で規定投球回をクリアしたのは高田のみ。ファームでの実績とはいえ、シーズンを通じて投げ続けることができるタフさは強みだ。

さらに、1年目から2年目にかけて、四球数が大きく改善した。1年目は58個だったのに対し、2年目は34個と激減。それに伴い防御率も1近く改善するなど、好投に繋がった。

一方で奪三振数はリーグ最多の95個から同2位の72個に減らしている。四球数は増やさずに、奪三振能力を2021年シーズンの水準にまで戻せるか。

近年の楽天の先発投手陣は、田中将大、岸孝之、則本昂大、涌井秀章(中日へ移籍)といったベテランの右腕投手が中心的役割を担ってきた。左腕投手では同世代の早川隆久が台頭しているが、ここに右腕投手の高田や、ドラフト1位ルーキーの荘司康誠らが加われば、一気に若返りを図ることができる。

2013年以来10年ぶりの優勝、そして日本一へ向けて、高田のブレイクが大きなポイントになりそうだ。

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