1/3ページ目 好きになってくれるのは有り難いけど。 あ、来た。 部活が終わると日替わりで決まって誰かはやって来る。 「せんどー、今日暇〜?」 「暇じゃないよ」 「え〜?何かあんの?」 「内緒」 「何それ〜」 じゃあね、って愛想良く別れを告げてみる。 冬の選抜も終わって練習も緩くなって夕方には終わる。 練習終わってから釣りに行くのも気分じゃない。 今日の俺の予定は、アイツに会いに行くこと。 背が高くて美人な同じクラスのアイツ。 中学の時の全国大会で、たまたま同じ日に試合があって見かけた。 何て高校かは忘れたけど、1人ずば抜けて上手かった。 で、たまたま綾南に推薦で入ってバスケ部にいたけど、1年の途中で足を怪我して辞めた。 今は、学校の近くのスポーツ用品店でバイトしてる。 だから、今日はそこにアイツを見に行く。 新しいバッシュを見に行くってのを口実にして。 まぁ、同じクラスだから毎日会ってんだけど。 学校から少し歩くと控えめな看板が見える。 ってか、今日いるのかなぁ。 さっさと帰ったからバイトだって決めつけてたけど、普通に用事ってことも有り得るよな。 あ、いた。 小さい店だから、店に入る間もなく分かる。 奥の椅子で暇そうに座っていた。 「##name1##!」 「あ、仙道じゃん。何してんの?」 「バッシュ見にきた」 「そっか。何かあったらサイズ出すし、言ってねー」 バスケ部の時の名残で##name1##なんて呼んでるけど、学校では「##name2##さん」。 呼び捨てにしたら他の女の子から嫌がらせされそうだから。 そのこと言ったら「心配性」って言いながら笑ってた。 まぁ、##name1##は女子からもモテるから心配しすぎっちゃしすぎなんだけど。 「##name1##、これのサイズある?」 「あー、ちょっと待って」 高い台の上にあったみたいで、ジャンプして取ってくれた。 「ナイスリバウンド」 「アハハ!じゃあ、パス」 せっかく取ってくれたけど、買う気はほとんどない。 けど一応履いてみる。 「どう?」 「んー、イマイチ」 「文句言うな!」 「アハハ、ごめんごめん」 この店は綾南生御用達の店。 いつもは何人か綾南生がいるけど、今日はいない。 「仙道何か買ってよー。売上ヤバいって店長ボヤいてた」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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