【善かれと思って】 善かれと思って、はからったことが、善かれと思ったようにはならなくて、思いもかけぬ反対の結果を生み出すことが、しばしある。思いが足りないのか、はからいが足りないのか、それにはいろいろ原因があるのだろうが、よくよく考えてみれば、やっぱりそこには、何らかの策を弄したという跡が目にうつるのである。 善意の策も悪意の策も、策は所詮、策にすぎない。悪意の策は、もちろんいけないけれども、しかし、たとえ善意に基づく策であっても、それが策を弄し、策に堕する限りは、悪意の策と同じくまた決して好ましい姿とはいえないであろう。つまり、何事においても策なしというのが一番いいのである。 無策の策といってしまえば、平凡だけれども、策なしということの真意を正しく体得して、はからいを越え、思いを越え、それを自然な姿で振る舞いにあらわすには、それだけのいわば悟りと修練がいるのではなかろうか。 お互いに事多き日々、思いもかけぬ悩みを、悩む前に、時にはこの策なしの境地というものに思いを巡らせ、心静かに反省してみたいと思うのである。 01:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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