【心配もまたよし】 何の心配もなく、何の憂いもなく、何の恐れもないということになれば、この世の中は誠に安泰、きわめて結構なことであるが、実際はそうは問屋が卸さない。人生常に何かの心配があり、憂いがあり、恐れがある。 しかし、本当は、それらのいわば人生の脅威ともいうべきものを懸命に、そしてひたすらに乗り切って、刻々と事なきを得てゆくところに、人間としての大きな生きがいをおぼえ、人生の深い味わいを感じるということが大事なのである。この心構えがなければ、この世の中は誠に呪わしく、人生は、ただいたずらに暗黒ということになってしまう。 有事に直面しても、これを恐れてはならない。尻込みしてはならない。”心配もまたよし”である。心配や憂いは新しくものを考え出す一つの転機ではないか、そう思い直して、正々堂々とこれと取り組む。力をしぼる。知恵をしぼる。するとそこから必ず、思いもかけぬ新しいものが生み出されてくるのである。新しい道がひらけてくるのである。誠に不思議なことだが、この不思議さがあればこそ、人の世の味わいは限りもなく深いといえよう。 01:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |