【世間というもの】 世間というものは、きびしくもあるし、また暖かくもある。そのことを、昔の人は「目明き千人めくら千人」という言葉であらわした。いい得て妙である。 世間にはめくらの面もたくさんある。だから、いいかげんな仕事をやって、いいかげんにすごすことも、時には見逃されて過ぎてしまうこともある。つまり広い世間には、それだけの包容力があるというわけだが、しかし、これになれて世間をあまく見、馬鹿にしたならば、やがては目明きの面にゆき当たって、身のしまるような厳しいおもいをしなければならなくなる。 また、いい考えを持ち、真剣な努力を重ねても、なかなかこれが世間に認められないときがある。そんなときには、ともすると世間が冷たく感じられ、自分は孤独だと考え、希望を失いがちとなる。だが悲観することはない。めくらが千人いれば、目明きもまた千人いるのである。そこに、世間の思わぬ暖かさがひそんでいる。 いずれにしても、世間は厳しくもあり、暖かくもある。だから、世間に対しては、いつも謙虚さを忘れず、また希望を失わず、着実に力強く自分の道を歩むよう心がけたいものである。 01:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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