【ノレンわけ】 昔は、お店に何年かつとめて番頭さんになったら、やがてノレンをわけてもらって、独立して店を持ったものである。今でもそういうことが、一部で行われているかもしれないけれど、それでも世の中はずいぶん変わった。 生産も販売も次第に大規模になって、店の組織も会社になって、だからもうノレンわけなどというものはすっかり影をひそめてしまった。つまり、独立して店を持つということが難しくなって、会社の一員として終生そこで働くという形が多くなったのである。 世の中の進歩とともに、大規模な生産販売に移行してゆくのも自然の姿であろう。だからこれもまたやむを得ないことかもしれないが、しかしノレンわけによって、独立の営みをはじめるというあの自主的な心構えまでも失ってしまいたくない。会社の一員であっても、実はその中で、それぞれの勤務の成果によって、それぞれにノレンわけをしてもらっているのである。だからみんなその仕事では独立の主人公なのである。 そんな気持ちで、自主的な心構えだけは、終生失わないようにしたいものである。 03:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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