【芋を洗う】 この頃はあまり街中では見受けなくなったが、それでも、ときどき思わぬところで、昔懐かしい芋洗いの風景にぶつかることがある。 大きな木桶に芋をいっぱい入れて、その桶の縁に上がりこんだ若者が二本の丸太棒でヨイショヨイショとかきまわす。その力に押されて、芋は上から下へ下から上へ、そして右に左にと移動して、大芋小芋とりどりの姿が、現われては消え、消えては現われてくる。 上にあるものでも、いつまでも上にいるとは限らない。また下の芋も、いつまでも下積みでいるとは限らない。やがては上にあがってくる。下に降りてくる。 何だか人生の縮図みたいである。人の歩みには大なり小なり浮沈がつきまとう。上がりっ放しもなければ、下がりっ放しもない。上がり下がりの繰り返しのうちに、人は洗われみがかれてゆくのである。だから、たまたま上にいたとて、おごることはすこしもないし、下にいたとて悲観する必要もない。要は、いつも素直に、謙虚に、そして朗らかに希望をもって歩むことである。 おごりの気持ちや悲観の心が出てきたとき、芋洗いの姿を思い出すのも、また何らかの役にたつであろう。 08:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |