【すずしい眼】 幼き児。言葉もまだ持たない花のような幼き児。抱き上げたその子にジッと見つめられる。 すずしい眼である。何のにごりもない澄んだ瞳である。その瞳が、こちらの眼を一心に見つめる。無心というのであろうか。素直というのであろうか。神の眼で見通されてしまうようなそんな思いがして、思わず眼をそらす。それでもまだジッと見つめている。こちらの眼を追っている。 世の中が乱れ、人の心が乱れてくると、人々の眼が濁り出す。人を見つめ、世を見つめ、己を見つめるその眼の中に、知らず知らずのうちに、私心のかげりが広がり、疑いと不信のまくがおおい出す。 そして、見れども見えず、事の真実が見通されないままに、非はすべて他にありとののしり出す。幼き日のあのすずしい眼はどこへ行ったのであろうか。 幼き児から眼をそらすまい。いつまでもいつまでも見つめ合いたい。そしてそのすずしい眼を見つめつつ、ひとときの自問自答を重ねたい。 03:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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