【浩然と歩む】 若いうちから老成ぶるな、という言葉がある。そのことのよしあしは別として、一応素直にこの言葉を受け入れれば、若いうちにあまり悟りめいた境地に立つと、その人間は伸びるどころか、かえって萎縮するということになる。自らの思考力も人生の経験も、まだ未熟なままに老成ぶり落ち着き払ってしまうと、青い果実が熟せぬままに地に落ちるのと同じ姿になるというのである。 しかしよく考えてみれば、これは単に個人に対する戒めとなるばかりではない。人類を全体として考えた場合にも、大きな示唆を与えるのではなかろうか。 確かに人類の歴史は古い。有史以来四千年と言われ五千年とも言われる。その間の幾多の先人の歩み、それは血の滲む足跡であり、今日、生を享ける我々としては、敬虔な気持ちでこれに対さなければならないだろう。 だが人類はこれから先どれほど生存を続けてゆくであろう。個人は滅びても、人類は滅びぬ。地球の寿命と共に、恐らく、何十万年、何百万年の生命を保ってゆくに違いない。 そうとすれば、我々人類の生命はまだまだ若い。そして、この若さのままに、老成ぶりを固定してしまうことは、人類の進歩を妨げるものと言わなければなるまい。まだ若いのである。まだ多くの希望と未熟さを持っていいのである。我々は、先人の教えに敬虔であると共に、また柔軟で野放図な一面をも失ってはならない。面をあげ、浩然と繁栄への道を歩みたいものである。 03:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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