【雨の音】 眠れぬ夜に雨の音をきく。自分のことから、自分とつながりのある人々のこと、明日の仕事のことから、ついつい世の中のことにまで考えが及んでいくと、いつの間にやら心がさわぎ、頭が冴えて眠れなくて夜が更ける。 自分はどうなってもよいとは思うものの、自分とつながりのある人々のことが、やっぱり気にかかるし、自分の仕事だから自分の思うままにと考えてもみるのだが、仕事はすべて人とつながり、世の中とつながる。 あれを考えこれを考え、最善の難しさに思い悩む。 夜が更けるのか、早い朝がくるのか、定かでないそんなひととき、フト気がつくと静かな雨の音。そしてどこかでかすかにきこえる雨だれの音。あちらでポツン、こちらでポツン。これで桜も一段と艶やかになるのか。考えの迷路の中に、しっとりとした桜の花弁が、俄かに眼に浮かぶ。 決断は案外、一瞬にして生まれるものである。その時を心静かに待とう。眠りの覚めるその一瞬でもよいではないか。 雨の音が、幼き日のひそやかな子守唄のようである。 06:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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