【雲】 雲。早くおそく、大きく小さく、白く淡く、高く低く、ひとときも同じ姿を保ってはいない。 崩れるが如く崩れざるが如く、一瞬一瞬その形を変えて、青い夏の空の中ほどを、さまざまに流れてゆく。 これはまさに、人の心、人のさだめに似ていると言えよう。人の心は日に日に変わっていく。そして、人の境遇もまた、昨日と今日は同じでないのである。 明暗さまざまに織りなして、刻々に移りゆく人の世のさだめに、人は喜びもし、嘆きもするのである。 喜びもよし、悲しみもまたよし。人の世は雲の流れの如く刻々に移りかわる。 そう思い定めれば、あるいは人の心の乱れも、幾分かはおさまるかも知れない。 そして、喜べども有頂天にならず、悲しめどもいたずらに絶望せず、こんな心境のもとに、人それぞれに、それぞれのつとめを、素直に謙虚にそして真剣に果たすならば、そこにまた、人生の妙味も味わえてくるのではなかろうか。 01:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |