【冷静の美徳】 山に登ってガスに包まれて、どちらに行ってよいのやらわからなくなったときは、まず立ち止まり休息し、場合によっては穴を見つけてそこにこもって、体力の消耗を防ぎつつジッとガスの晴れるのを待てという。 そう言われているからそうしようと思うのだが、やっぱりウロウロして傷だらけになって、気力も衰え体力も衰えて、ついには倒れてしまう。 不安だからである。ジッとしているのが何とも不安でたまらない。冷静を失った心には、次々と悪い考えばかりが浮かんできて、ジッとしていたらそのまま死んでしまうような不安にかられる。そのうちに幻想のとりこになって、聞こえもしない音が聞こえ、ありもしない道が見えてきたりする。 冷静ほど大事なことはないのである。 近頃、人間についての美徳がいろいろ言われているけれど、冷静もまた大切な美徳である。特に今日のような乱れた世相になってきたら、これが人間の第一番の美徳として強く求められてくる。お互いにこの徳を、どこまで高めることが出来るか。大事な時である。 02:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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