【押しやる】 タライのなかの水を、手で向こうに押しやっても、すぐにまた左右から水が寄ってくる。 押しやっても押しやっても、手もとの水はなくならない。いたずらに波立つだけで、やっぱり水は手もとに戻ってくる。あきらめて手を休めたら、タライの水はゆったりと静まる。 この世の中、嫌なことはいっぱいあるし、自分にとって嫌な人もたくさんいる。だから、ついそれらを向こうに押しやって、自分のまわりから遠ざけたいと思うのだが、一つ押しやっても、また新たな嫌なことが起こってくるし、押しやったと思った嫌な人が、知らぬ間にまた自分のまわりに寄りそってくる。もがいてもあがいても、やっぱりもとのままである。 人間の道は排除の道ではない。お互いにタライのなかに相集うて暮らしているのである。押しやっても押しやれるものではない。だからいたずらにもがきあがくよりも、寄りそうもよし、寄りそわざるもよし、これも何かの縁と心を定めて、あるがままを承認し、あるがままに受け入れるほかない。そこにおのずから調和が生まれ、自他共に生きる道が、ムリなくひらけてくるであろう。 02:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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