【心静かに】 一犬影に吠ゆれば万犬声に吠ゆ。何かの気配におびえた一匹の犬が、もののけにつかれた如くけたたましく吠えて始めると、その声におびえた犬たちが、次から次へと吠え立ててゆく。ついには、何のために吠えているのか訳も分からぬままに、他の犬が吠えているから、だから自分も吠える。 そんなこんなで、けたたましい吠え声が、意味もなく町々を走り、野山を駆け巡る。月に吠える一犬は一幅の景になるけれど、悪戯に騒々しい万犬の声には、しばし静かにあれと呼びかけたくもなる。 犬だけではない。お互いにこの世の中、手前勝手な声々で、何となしに騒々しくなってきた。あちらが勝手ならこちらも勝手。勝手と勝手がぶつかり合って、とにかくにも大きい声。そんなこんなで無用の摩擦が起こり、訳の分からぬ葛藤で自他共に傷つく。 今こそ心静かに、本当に何が起こり、何が大事で、何をなさねばならないのか、自他共の真の幸せの為に、広く高く深く考え合ってみたい。そんな時なのである。 04:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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