【静夜】 夜は静かであってほしい。特に秋の夜は静かであってほしい。町中では、求めても中々求め得られない今日この頃の静けさであるけれど、やっぱり夜は静かであってほしい。それは安らかに眠る為だけではない。静かにものを考える為にでもある。考えるというよりは、思いを潜め、その中から一瞬の閃きを得る為と言えようか。 シンとした天地のしじまの中にあって、月を眺めるもよし、星を仰ぐもよし。またしばし語るを止めて、黙黙とした一時を持つもよし。天地と我との染み通るような交流である。 この夏はあまりにも騒がしかった。活気がありすぎた。それはそれでよかったけれど、やっぱり人間には静かな夜が必要なのである。そして、天地との静かな交流の中にあって、人にはじめて人らしくなる。 年とともにか細くはなったけれど、今年もまた虫は鳴いている。昔のように透き通るほどではなくなったけれど、今年もまた月は中天にある。 静夜を求めたい。静夜の一時を求めたい。 07:00 コメント(0) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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