【様相不変】
幼き日の友に、二十年ぶり三十年ぶりに出会ったら、その姿のすっきり変わったのに、一瞬途惑いを覚えることがしばしばある。
それでもやっぱりどこかに、幼き日の面影が変わらず残っていて、その面影にたちまち心が和み、二十年の歳月がつい昨日のようで、嬉しくて楽しくて手を握り合い語り合う。
変わっていくのは自然の理である。様相一変もまたよしである。けれど、その中にも変わって変わらないものがあってこそ、人と人とのつながりにも心が通い合う。
めまぐるしく変わり行く今日この頃。何もかもがたちまちにして様相一変。自然の佇まいも風俗習慣も、食べるものも着るものも、ものの見方考え方も何もかもが変わっていく。変わるものは変わったらいいし、また変えた方がいいかもしれないけれど、様相一変の中にも、やはり様相不変のものを大事に見つめ、大事に守り育てたい気がする。
自然と人間、人間と人間、このかけがえのないつながりを、いつまでも豊かに保つために。
08:00
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